
無線機器中心に分かりやすい説明を行って乗客から喜ばれている。
旅客の一人は「こんな大型船の船橋に、しかも航海中に入れてくれるなんて、最高の思い出になりました。いいことなのでいつまでも続けてほしいです」と感謝していた。
このことは、航海の安全を阻害するので船橋には関係者以外入れるべきではないとか。シージヤックの危険につながるなどの心配をするむきもあるが、旅客へのサービスであるばかりか、海事思想の普及の見地からも称賛したい。
アドバイザーに聞く
今回のお二人のアドバイザーを代表して、鈴木教授に海難防止訪船指導に関して聞いてみた。
そのポイントは「慣れと油断の違い」つまり、今、自分が何をやっているのかを考えることが、慣れの動作から油断に入らないカギであるというところにあったようだ(詳細は最終ページに別掲)。
直江津へ入港
博多港を出港して約二十時間後の九月四日午後六時半、れいんぼうべるは、直江津港に着岸した。
直江津港は、防波堤外西側至近の所に刺し網の漁業区域があって魚網が設置されており、出入港の操船に気を使わなければならない。
しかし、同社のフェリー専用岸壁には大型の緩衝護岸四機を備えており、港内で風向により左右いずれかの旋回による着岸の操船をしなければならない事情はあっても、総合的には、博多港より直江津港の方が、問題は少ないように思えた。
平成8年度訪船指導対象船
| 船 社 名 | 実施航路 | 船名 | 総トン数 |
| 日 本 海 運 | 神戸〜高松 | 神 高 丸 | 3,611 |
| 室 戸 汽 船 | 大阪〜甲浦、足摺 | フ ェ リ ー む ろ と | 6,472 |
| 太平洋フェリー | 名古屋〜仙台、苫小牧 | き そ | 13,730 |
| 防 予 汽 船 | 柳井〜松山 | お れ ん じ え ー す | 981 |
| オーシャン東九フェリー | 東京〜徳島、新門司 | おーしゃん いーすと | 11,500 |
| 有 村 産 業 | 名古屋〜大阪、那覇 | クルーズフェリー飛龍 | 10,342 |
| 東 海 汽 船 | 東京〜大島、神津島 | か と れ あ 丸 2 | 2,589 |
| 佐 渡 汽 船 | 直江津〜小木 | こ が ね 丸 | 9,504 |
| 野 母 商 船 | 博多〜青方、福江 | 太 古 | 1,260 |
| 九 越 フェリー | 博多〜直江津 | れ い ん ぼ う べ る | 13,500 |
| 九 四 フェリー | 八幡浜〜臼杵 | は や ぶ さ | 2,282 |
おわりに
今回の訪船指導スケジュールでは、各部ミーティングはじめ、まだまだこれからが本番というところだったが、取材班は、日程の都合で直江津下船となった。特に各部でのミーティングを取材できなくて残念だった。
「二十数時間という短い時間の訪船宿書取材でしたが、忙しい中を